ヘッドホンのヘッドバンド修理
寝転びながら使うヘッドホンは丈夫でなくてはならない。僕が使っているのはATH-PRO700という定番機種である。これは丈夫さという意味では右に出るものがない優れたヘッドホンである。DJ用として知られているが低音が出すぎることもなく、とにかく堅牢で質実剛健。2007年に日本橋のソフマップで中古9000円くらいで買ったように思う。買った直後犬にケーブルを噛みちぎられたり、初期不良で伸縮部分が折れたのを無償修理してもらったり、カールコードを普通のイヤホンコードに交換したりしながら、もう8年目の長持ちである。
あまりに長く使いすぎて、ヘッドバンドの合皮がボロボロになっていた。合皮の宿命で、ウレタンが劣化するのだ。ちなみにイヤーパッドも同じくずっと前からボロボロである。交換部品は売っているので交換すれば良いところを、お金がないので全部ウレタンを剥ぎとって、布だけにして使っている。ヘッドバンドはそういうわけにもいかず、黒い粉がポロポロ落ちて汚いので、どうにかならないかと思って検索してみた。すると、ヘッドバンドを革に張り替えるというのをやっているひとが何人かいるようだった。というわけで、挑戦してみた。先達がいると心強い。
基部のネジを外して、今までのヘッドバンドを切って剥がした。本当にボロッボロである。下からスポンジが顔を出した。意外と中のスポンジは薄く、それほど傷んでいなかった。
ヤフオクで買った薄くて柔らかい牛革をぴったりサイズに切って、フォークで等間隔に型をつけて、錐で穴を開けた。本当は菱目打ちという専門の道具が必要なのだけれど、1本800円もしたので買わなかった。当たり前だけれど、接合する2つの端で穴が同じ個数無いといけないので、革を2つ折りにして重ねて同時に穴を開けた。あとは自分でロウ引きした麻糸で縫うだけ。先達はヘッドバンド内側に縫い目がくるようにしているようだったが、内側が一番摩擦するところではと思って、外側の角に縫い目をもってきている。難しい作業であるが、我ながら手先が器用なので、スイスイ縫えた。元通りフタをして完成。
1枚の革で巻いたので、どうしても内側がちょっと余っているが、これはこれでまあいいことにした。余らないようにしようとすると、部品を分割せねばならず、縫い目が増えて強度が下がってしまう。今回使ったのはベースボールステッチという縫い方らしいが、縫い目がレトロで良いと思う。牛革の質感がとても気に入った。本革手縫いと言うと上等っぽい。
ヘッドホンやイヤホンに関して、音が出るドライバーが壊れることは少ない。ケーブルであったり、ヘッドバンドであったり、壊れやすい部分は修理や交換が可能である。ATH-PRO700は名機なので今はATH-PRO700mk2になっているが、mk2でケーブルが付け替え可能になったのは、そういう実情を反映してなのかもしれない。良心的だ。ちなみにATH-PRO700はカールコードで付け替え不可だったが、断線したので普通のイヤホンのコードに交換したら、音が良くなったという思い出がある。
他に同等の堅牢性をもつものがなく、音も気に入っているヘッドホンなので、これからも長持ちさせていきたい。イヤーパッドも交換しようかな。
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カバンの丸洗い
去年の夏にちょっと頑張って買った白いトートバッグがある。いかにも夏っぽいデザインなのだけれど、他に鞄が無いので毎日通学に利用して、わりと汚れてきていた。sunbrella社の汚れにくい布でできているというのが売りのようだが、やっぱり白なのでそれなりに汚れる。世の中には汚れを気にするタイプと気にしないタイプがいて、僕は気にするタイプである。
部分的にヌメ革が使われているので、革の部分を避けて、ちょっと汚れてきたなという布の部分を薄めた中性洗剤で拭いてみたことがあった。よく紹介されているお手入れの中でも最終手段とされているだけあり、そこそこ汚れは落ちた。ただ濯がないので、どうしても洗剤が残るのがちょっと気になっていた。
近頃靴関連で革についていろいろ調べていて、革というのはどういうものか理解しはじめたので、いろいろ考えて今回は丸洗いしてみた。
洗面所にお湯をはって (手が冷たいので)、鞄を浸して、中性洗剤をつけた布でゴシゴシ洗った。当然革の部分も全部濡れるが、気にしない。濡れた革は表面がもろくなっているので、できるだけ触らないようにした。布の部分はすぐにきれいになった。お湯がけっこう黒くなって、意外と汚れてるものだなと驚いた。何度か濯いだ後にAmazonのダンボール箱にかぶせて形を整えて、部屋で1日干した。
ヌメ革は水に弱いと散々言われているので、革の部分に水染みが残ったり、バキバキになったり、手入れを必要とするだろうと予想していたが、意外とちょっと乾燥して固くなっただけですんだ。色も変わらない。靴用に買ったデリケートクリームを塗っておくと、元通りになった、というか元よりきれいになった気がする。鞄もきれいになったし、革も傷まなかったので、満足した。
ヌメ革が水で傷むというのは部分的には嘘だと思う。水が一部だけにつくと革の中の汚れが偏って染みになるという現象はある。また水に濡れている間は脆いので、あんまりこするとボロボロになる。日陰でゆっくり乾かさないと乾くとひび割れる。乾燥後は油分を補給しないといけない。このあたりに気をつければ全体を濡らしても何も問題ないけれど、全部に気をつける神経質なひとは少ないので、水で傷むということになっているのだと思う。
適切な手入れをするとものは長持ちする。適切な手入れというのは意外と確立されていなくて、嘘情報が多い。結局は自分で実験してみることが一番大事だと思う。
こけた (痛い)
僕の通っている研究室は校舎の端っこにあり、測定室は別棟にある。今日はその測定室に新しく入った機器の講習があった。関係ないけれど、講習をしに来てくれたメーカーのおねえさんがかわいいと前日から噂になっていて、男子校っぽい雰囲気だった。
測定室がある別棟は一部の研究室の学生しか使わないので、少しばかりアクセスが悪い。通路になる場所を横切る駐輪場の柵が、土手のようになっているところまで来ていて、柵を持って土手を渡らなければいけない箇所がある。駐輪場をはみ出した自転車があったりすると更に危ない。あまりに危ないのでマナーの悪い自転車が土手の下まで投げ捨てられているところを見たことがあるくらい危ない。
前からこけそうだなーと思っていたのだけれど、ついに今日そこでこけた。漫画のようにずざーっと土手を滑って、うつ伏せになったので腹を打った。あとで見たら左手の小指の皮が開閉可能になっていて、血が出ていた。後輩に見られてじつに恥ずかしかった。
研究室の救急箱にキズパワーパッドがあったので貼ってみたら、これは良い具合である。人工的に破れない水ぶくれを作るような仕組みになっている。剥がれにくそうに見えるし、絆創膏は全部これになったら良いと思う。
26歳になって転倒すると、ダメージが大きく、心のダメージもそれなりにあるとわかったので、気をつけるようにしたい。
今日見た夢
iTunesの使い方
僕はiTunesの運用に関してそれなりのこだわりをもっているほうだと思う。未だにCDをせっせとiTunesに取り込んで聴いている。理由は単純明快で、音質のためである。CDというマスター音源が手元にあるにもかかわらず、それを非可逆圧縮音源にしてデータベース化するのが性に合わない。可逆圧縮なら情報は失われないし、いざとなれば元にも戻せるだろう、ということでAppleロスレスを使っている。アルバム1枚400MBで取り込めたら、1000枚取り込んでも400GBだ。2TBのHDDが1万円を切っているのだから、一般のひとは音楽の容量をケチらなくても一生分余裕で入る。
iTunesのあまり知られていなさそうな機能に「コンピレーション」と「アルバムアーティスト」、そして「読みがな」がある。
コンピレーションというのはいろんなひとたちが集まって1つの盤を作っているときに使う。iTunesはアーティスト名が複数あるが1つのアルバム、というのを許容しない。そんなときに「このアルバムはコンピレーションですよ」と指定してやると、1つのアルバムとして認識される。アルバムの曲を複数選択して、「情報を見る」、「コンピレーション」にチェックを入れれば良いだけで簡単。「さまざまなアーティストの曲のコンピレーションアルバム」って書いてるのが直訳っぽいけど、「コンピレーション」という言葉自体を訳すべきだと思う。
アルバムアーティストというのは「コンピレーションだけど全体としてはこのアーティストにしてね」という項目。なぜこんな項目があるのかというと、iTunesはコンピレーションアルバムに指定するとアーティスト名を認識しない。いっぱいアーティスト名あるからどれにしたらいいかわからんよ、ということだ。コンピレーションアルバムであるJeff BeckのBeckologyを例に挙げる。アーティストはThe TridentsだったりThe YardbirdsだったりJeff Beck Groupだったりするけど、全部Jeff Beckがやってるんだからアーティスト名Jeff Beckで出てきてほしい。そんなときに曲を複数選択して「情報を見る」「アルバムアーティスト」のところにJeff Beckと入力すると、ちゃんとアーティスト名Jeff Beckのところに出てくるようになる。
ついでに、iTunesは漢字が読めない。なので日本人の名前を漢字で入力しておくと、順番通りに並ばなくてモヤモヤする。昔はmp3のタグに「た 高田渡」みたいに頭文字を打つことで順番に並ばせるテクニックがあったけれど、今はそんなことしなくても、普通に読みがなを入力できる。「情報を見る」で上にある「読みがな」のタブを押せば、ちゃんと読みがなが入力できるようになっている。ひらがなで入力すればその通りに並ぶようになる。これは意外に知られていないと思う。Gracenoteから自動で読み込まれるタグには読みがなが登録できないようなので、自分で打たないと日本人はちゃんと並んでくれない。読みがなも登録できるようになってほしい。
以上、iTunesできれいに整理するための普通の入力の仕方を挙げた。ただこういうことをチマチマやってられるのは、限られたマメ人間だけだと思う。僕はこういうのが気になるタイプなので、可能な限りキッチリ入力して、いちいちアートワークも入れている。
iTunesは明らかに音楽を聴いていないひとが作ったソフトウェアで、不満ばかりあるけれど、他にこれより良いソフトウェアは見たことがないから、上手に付き合っていくことが肝要だと思う。