滑り込み学会

 先週に今年度初めての学会にポスター発表で出させていただいた。夏に発表したのは実は半分非公式な学会だから、完全に公式なものは学校を移ってから初めてだ。

 他の分野は知らないけれど、化学系の学会でポスター発表をするには段階がある。

  1. 申し込み (題名と大まかな内容を決める)
  2. 予稿 (発表内容をA4用紙1ページから2ページ程度にまとめた原稿を作る)
  3. ポスター作り (A0のポスターを作る)
  4. 当日発表 (ポスターの前でいろいろなひとに説明する、1時間くらい)

 当日の発表までの段階は、全て指導教員のチェックをクリアする必要がある。少なくとも僕が所属する研究室ではそうだ。申し込みの時点から数えると、数ヶ月前から計画的に準備をしておかなければならないのである。しかし今回は他の行事が多く入り、申し込みから予稿までの間にテーマ変更があり、先生も出張で忙しそうに飛び回っておられ、全ての予定がギリギリになってしまった。チェックする先生にご迷惑をおかけしてしまい、本当に反省している。

 ポスターに関してはチェックを通過できたのが学会前日だった。それからさあ印刷と急いだのはいいが、僕は今年度からこの学校に来たので、印刷のやり方がよくわかっていなかった。近頃の異常な運の悪さが手伝って、ピンチがやってくる。

 別室にある大きなA0プリンターで印刷するのだが、用紙をセットしても印刷を開始してくれない。画面の指示にしたがっていろいろ操作して何度もヘッドクリーニングをかけてみるも、「ヘッドクリーニングをしてください」のメッセージが消えない。ヘッド交換の時期だったのだ。何もこんなときにならなくても、と予備のヘッドを探したらあったが、ヘッド交換ができない。ヘッド交換をするにはメンテナンスカートリッジに余裕があることが必要らしい。メンテナンスカートリッジも交換の時期だったのだ。そしてメンテナンスカートリッジの予備は無かった。

 この時点で夜の8時である。事務は既に閉まっており、A0プリンターのメンテナンスカートリッジなんて特殊なものは近くに売っていない。次の日の昼には発表しないといけない。

 

 結局いろいろなルートでどうにか印刷できないか探ってもらい、なんとか当日の午前に印刷が間に合った。

 

 僕の印刷が遅すぎたという不手際ももちろんあるが、3日前でも同じことになっていたであろうし、消耗品を使い切った後に補充しておかないひとの責任があると思う。前に書いたように、僕はトイレットペーパーを使い切った後に次のロールをセットしておけるひとでありたい。

 

 発表は問題なく進行したが、分野自体がアウェーな学会であったため、あまりひとが集まらなかった。ポスター発表はその場の全員に強制的に聴かせるということができないのだ。途中でテーマ変更せざるをえなかったので、内容が薄いのは確かだったが、不人気の原因はそれだけではないだろうと思いたい。同じ研究室のメンバーが賞をとるところを指をくわえてみているだけはもうごめんなので、次こそは賞をとれるように努力していくつもりだ。