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追悼、B.B.King

音楽

 

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 B.B.Kingが亡くなったらしい。最近僕の中でB.B.Kingが再燃してきたところだったので、とても信じられない。89歳だから大往生だけれど、B.B.Kingはいつまでも生きていると思っていた。それくらい存在感がある。

 僕がブルースを聴こうと思ったのは、ブルースがロックの源流だと知って、どうせなら源流から聴こうと思ったからだ。一番最初に聴いたブルースはもちろん、B.B.King、その名もThe Bluesというアルバムだ。

Blues

Blues

 

  なるほど、こういうのがブルースなのか、と納得した。それからいろいろ聴いて、今やiTunesの"Blues"ジャンルには100枚以上のアルバムが入っている。でも未だに、B.B.KingがKing Of The Bluesである。

 ブルースというのは音楽のジャンルであるが、同時にそれぞれのスタイルである。ブルースを演奏するひとりひとりにブルースのスタイルがある。それぞれの演奏者がそれぞれのブルースを表現しようとし、発露された音楽がそのひと独自のブルースのスタイルになる。音楽の形式としてはどれも同じだけれど、ひとりひとり違うジャンルであるとも言える。そういうところがブルースの本質であり、ロックにも引き継がれている。

 B.B.Kingのブルースのスタイルは、あまりにも強烈だ。何をやってもB.B.Kingだというのがわかってしまう。あまりにも有名なのは、ギター1音だけでもB.B.Kingだとわかるというものだが、これは本当にそうなのだ。一撃必殺のギターである。B.B.Kingは僕たちに、ギターは楽器ではなく、必殺技であるということを教えてくれた。

 ギターをアンプに直結してボリュームを全部MAXにして弾いているらしいが、それだけであんな音が出るわけがない。グールドのピアノが、マイルスのトランペットがそうであるように、本人が明確にその音を望んでいるというのがわかる。楽器やセッティング、テクニックは手段にすぎない。

 B.B.Kingにはお決まりのフレーズがあり、ワンパターンであるとも言える。ただそのフレーズの演奏があまりに熟練しているために、ワンパターンを許容せざるをえない。良いものは良いじゃないか、新しくある必要があるのか?と、そういうフレーズなのだ。先人のブルースから引き継いだフレーズのはずだが、B.B.Kingのオリジナルではないかと思うくらい使いこなしている。

 B.B.Kingは必殺ギターに負けないくらい、声が強力だ。ブルースマンというのは、だいたい飲み過ぎたオヤジのような声をしているものだが、B.B.Kingの歌声はゴスペルのように力強い。なにしろ体がデカいので説得力が段違いだ。息で吹き飛ばすブルースだ。年齢を重ねてからも十分凄いが、60年代後半、Blues Is Kingの頃の声は特に凄い。さらにMCまで流れるように上手い。 

Blues Is King

Blues Is King

 

  それにB.B.Kingと言えばなんといってもLive At The Regalである。1曲目のEveryday I Have The Blues、豪華なブラスの中、一撃必殺のギターだ。まだイントロなのに、観客が興奮で絶叫する。ブルースは解放なのだ。そういうことをB.B.Kingはわかりやすく教えてくれる。How Blue Can You Get?のセリフパートで笑わせるB.B.King、とにかくとんでもないステージが聴ける。

Live at the Regal

Live at the Regal

 

 

 いろいろなひとのいろいろなスタイルのブルースを聴いたけれど、ブルースの本質というのは、やっぱりB.B.Kingが教えてくれたように思う。B.B.Kingのブルースは、ブルースマン達の中では異質なほうだけれど、それでも本質をしっかり捉えて、決してぶれていない。同じことをし続けることの偉大さを湛えている。

 B.B.Kingは僕にとっては偉大なブルースの先生であった。亡くなっても存在が薄まることはないだろう。King Of The Bluesは、なんといってもB.B.Kingなのだ。