iPodの思い出

iPhone6の発表があった。画面が大きくなるということらしい。今まで必死に守ってきた画面の大きさは、慣れでなんとかなるものなのだろうか。iPhone5sはたいへん気に入っている。iPhoneは3GS->4S->5->5sと使ってきたけれど、4S以降はずっと満足している。たいへん偉いと思う。

一方でiPod Classicの販売が終了になった。iPodにはお世話になったので、その思い出を書きたいと思う。

僕が初めてiPodの実機を見たのは高校の頃だ。id:hitode909が第3世代と呼ばれるiPod Classic(その頃はClassicなんて言わなかったけど)を持っていて、高いのに良いもの持ってるなと思ったのだった。当時は高校生でiPodを持っているひとなんてまわりには他にだれもおらず、白黒画面の分厚い本体がFirewire接続、タッチホイールと別にボタンが4つある第3世代iPodは、10GBで36800円、20GBで47800円もした。今では信じられないけれど、10年前はそのくらいだったのだ。

僕が初めて買ってもらったのはその次の第4世代だった。クリックホイールになり、USB接続と少しWindowsに近づいた。当時WindowsiTunesはものすごく重かったのを覚えている。今もある程度重いらしいが。白黒画面ではあるものの、20GBで33390円と劇的に安くなった。当時20GBといえば本当になんでも入ると思っていて、持っているmp3は確か全曲入ったと思う。初めて触るクイックホイールが、本当にカルチャーショックを受けるくらい凄かったのを今でもしっかり覚えている。タッチ式だからリングが回転しているわけではないけれど、カチカチと音がするのが良かった。テキストファイルを表示できるので、青空文庫の小説を一生懸命入れて読もうとしていた。結局実用的ではなかったけれど、そういう電子手帳的な使い方に憧れる時代があったのだ。高校まで自転車で遠かったので、胸ポケットに入れて毎日ASIAN KUNG-FU GENERATIONを聴いていた。iPodを持っている高校生は相変わらずほとんどいなかったので、非常に珍しがられた。多くのひとはMDを聴いている時代だった。1000曲以上入るなんて絶対ウソだと驚かれたし、自分でも驚いていた。

その第4世代があるとき突然動かなくなった。バッテリーの部分が弱く、そういう不具合が多発していたようだ。保障はなかったので、その時最新だった第5世代を買った。確かまだ高校生の頃だったと思う。白いフチのある特徴的な画面がフチのほぼ無い横長大画面フルカラーになり、容量も30GBに増えた。当時ちょうど20GBが足りなくなるくらいだったので、この容量増加は嬉しかった。値段もさらに安く29800円になった。この頃はもう高校生でiPodを持っているひとがわりといた。白いイヤホンのコードがステータスだった。第4世代からたった2年でものすごい進歩だ。フチがある画面でイヤホンジャックがちょうど中央にある第4世代がiPodらしいデザインだと思っていたので、デザイン変更は残念だった。今考えてみるとどちらのデザインもそれなりに良さがある。厚さが14.5mmから11mmと劇的に薄くなり、軽くなったので、胸ポケットに入れても違和感がなくなって良かった。第4世代は重くて厚いので、制服のシャツの胸ポケットに入れると落ちそうだったのだ。第5世代のiPodでは動画を観ることができたので、必死に変換した動画をベッドの中で寝転びながら観て、未来を感じていた。この第5世代は酷使したが丁寧に扱い、けっこう長持ちした。最後は売ってしまったが、5000円くらいと意外と高くで売れた。

第5世代のiPodと平行して初代iPod touchを買ったが、音楽を聴くのは第5世代を使っていた。初代iPod touchは誰でもわかるくらい音が悪く、ノイズがあったからだ。その後iPhone3GSを買って、音楽はそちらで聴くようになった。

やはり何といっても第4世代と第5世代、この2つを長く使ったし、愛着がある。Classicがなくなってしまうのは残念だけれど、時代の流れから考えて妥当だと思う。急速に時代は変わっているのだ。

今のiTunesライブラリは500GB近くあり、どうやっても全部は入りきらない。全部が入りきる商品が出ることもなさそうだ。iPodの小さいHDDがキューンと鳴る音を聴くことがもう無いと思うと、懐かしい気持ちになる。あの頃のiPodは本当に価値ある素晴らしい商品だった。