お金の形態

 僕の家は山の上にあるので、登校するには自転車、電車(JR)、バスのトライアスロンをする必要がある。ちなみに学部の頃は自転車、電車(JR)、電車(近鉄)、徒歩2.5kmで合計2時間弱かけていた。
 自転車を停める駐輪場はおじいさんが入り口に立っているタイプで、紙の回数券を買う。1日100円が11枚綴りで1000円になる。定期券はあるにはあるようだけれど、一定の時期しか売っておらず、販売開始1時間前から並んでも売り切れるらしく、ほぼ買えない。買えない定期券というのは意味がわからないし、週5日停める計算だと大して安くなかったはずである。
 バスも同じく回数券で、1回240円が24枚綴りで5000円する。これもあまり安くなっていないけれど、週5日往復する計算だと定期券が回数券より高いので、仕方がなく紙の回数券をピリピリ破っている。この紙の回数券はバスの運転手さんから現金でしか買えない。時間をとるので終点で乗客が全員降りたあとに買う。僕が使う路線では未だにICOCAは導入されていない。
 近鉄の定期券も何年か前までは磁気カードだった。JRの定期券はICOCAでタッチだから、よく間違えてタッチして改札に入ってしまった。そのままタッチで出たら定期ではなくチャージが引き落とされてしまうので、取り消してもらわないといけない。今はJRの定期券と合体させてICOCA定期券だからタッチだけで済むようになった。
 ただお金を払うだけなのに、色々な苦労をしないといけない。回数券の紙をピリピリ破るなんて、不便極まりないと思う。明治時代どころか文明開化すらしておらず、はっきり言って原始人と同じシステムだ。21世紀の人間がタイヤみたいなでっかい石のお金を転がしていていいのか。
 世の中は僕のお金を欲しがっているはずなのに、僕がお金を払うときに障害があって、それを乗り越えないと払えないのは、理にかなっていないように思う。化学的に言うと活性化エネルギーが高すぎる。逆にぼーっとしてたらお金がどんどん勝手に払われていく、必死で食い止めないといけない、くらいのほうが納得できる。Amazonはポチるだけでいいから買いすぎてしまう、っていうのは納得。
 お金はデータだと僕は思っている。ICカードで会計ができる時代に、現金を使っているのがどうかと思う。現金を取り扱うコストとICカードを取り扱うコストでは、明らかにICカードのほうが安い。
 将来的にはICOCAでもなんでもいいけれど、ICカードに全てのお金を統一するとかなんとかして、データでお金をやりとりできるようになってほしい。ポイントカードも統一できればなお良い。データを何かに変換して使うことの手間とロスがとにかく気になる。自分のお金を自分で払うときの障害は、できるだけなくしたほうが景気も良くなるはずだ。