ツープライススーツ店の印象

 学会に出させていただける立場になり、もうすぐ就職に向けての面接等も始まるので、スーツが必要になった。以前まで着ていたストライプのスーツは6、7年前に買ったもので、ずいぶんとデザインが古臭くなっていたのだ。かといって高級なスーツを買うにはまだ早く、ツープライスのスーツ店をいろいろ探した。ツープライスだからどこでも同じだろうとは思っていたのだが、いろいろ見てから納得したものを買いたかったのだ。以下にそれぞれの店の印象を書く。ただそれぞれ1店舗ずつしか見ていないので、その店舗だけなのかもしれない。

 結論としては、概ねほとんど同じだった。どこで買ってもさほど失敗はしないだろう。身も蓋もないがやっぱり以下に印象を記す。

 

伊勢丹セール

 伊勢丹の普通のスーツコーナーは高くて買えないので、2着で3万円セールを見に行った。元値18000円が2着セットで3万円だった。ここを一番最初に見たが、安くてもそれなりにきれいなのあるじゃないかと思った。6,7年前に比べると全体的に細身、ラペルが狭いのが流行りだと教えてもらった。僕のサイズは5Yか5YAらしい。ポリエステルが入ってる割には手触りが良かった気がする。

 

大丸セール

 梅田の大丸の2着3万円セール。元値18000円2着で3万円。伊勢丹に比べるとちょっと生地の感じが安っぽかった、が別に気にするほど違うわけでもなかった。普通に安い。形もオッサン臭くはなかった。こういうセールはセール用の安いものを作っているようだ。

 

青山

 国道沿いの店。以前のスーツは青山で買ったはず。それなりの品をそれなりに置いていた。5Yもそこそこ置いていたが、それ以外のサイズが多かった。おそらくオジサン向けなのだろう。1着28000円くらいのものは生地の感じもなかなか良いが、2着目が安く価格設定の根拠がよくわからないのと、靴はそこそこの値段するのに異常に安っぽかった。

 

青木

 国道沿いの青山のすぐ向かいにある店。ストレッチスーツが売りのようで、ジャージみたいな変な生地のスーツが置いていた。28000円前後か。安っぽい割に値段は高いものも置いていた。5Yや5YAのサイズがほとんどなく、黒無地の選択肢がジャージみたいな生地の2通りしかなかった。青山と同じく靴が値段の割に異常に安っぽいのと、下品そうなオバサン店員が声をかけてきたので、印象が悪い。

 

THE SUIT COMPANY (UNIVERSAL LANGUAGE)

 青山系列。竜王の三井アウトレットモールの店舗。1着28000円が20%オフ。青山と同じく若干生地が良い。デザインはやや保守的。柄物が多かったので、ストライプを買う時にはいいかもと思った。アウトレットだからかサイズはいろいろだった。

 

PFSA Platinum (パーフェクトスーツファクトリー)

 はるやま系列。大丸の中の店舗だからなのか、変わった色や柄のものが多かった。他の若者向けツープライス店と比べると生地が若干安っぽい気もしたが、別に言うほどかわらない。1着28000円くらいであまり割引はなさそうだった。店員さんの態度が軽く、ナメられた感じがして印象が悪い。ものに大した差が無いのだから、そういうところが大事だと思う。

 

THE@SUPER SUIT STORE

 ONLYというグループの系列らしい。5Yの黒がたくさんあった。1着28000円くらい。2着目いくらという割引はなかった。生地がちょっと良い感じだった。靴は青山より少し高くて少しマシだったが、店舗が梅田の駅に近かったからかもしれない。店員さんの対応が良くてかわいかった。堅実な印象。

 

ONLY

 ONLYグループのスーツ部門THE@SUPER SUIT STOREなのかと思ったら、イオンモールにONLYのスーツ屋さんがあった。28000円くらいでTHE@SUPER SUIT STOREと同じものが置いているのかと思ったが、ちょっと生地の質が落ちていた気がする。デザインは保守的。全体的に商品が安っぽく見えて、お店の印象があまりよくなかった。

 

llll SUIT SELECT

 何系かわからないが、佐藤可士和というユニクロのロゴデザインのひとがプロデュースしているらしい。確かにここだけ攻めたデザインで、ボタンのデザインが違うものがあり、スキニーというやけに細いラペルのスーツが売っていた。それ以外も全体的に細く、ズボンのボタンのところが他とちょっと違う。店にはタル・ファーロウのジャズギターが流れていた。1着28000円で、就活用は20%オフ。28000円と18000円のセットで4万円。何を根拠に就活用と言っているのかは教えてくれなかった。

 

 以上のツープライスのスーツ屋さんを延々見続けて、結局最後に書いたllll SUIT SELECTで買うことにした。黒の無地が欲しかったので、生地に期待できない安いものなら攻めたデザインがよかったのだ。店員さんが信頼性に欠けて、当初は「就活生なら2着で3万円が20%オフになります!」と怪しいことを言っていたはずが、採寸が終わって払う段階になると、4万円で他の割引が効かないとか言い出した。それが適価だと思ったけど、よくわからないまま騙されたくなかったので、面倒だったけれど結局1着だけ買った。28000円の20%オフだから安かった。

 

 長々と書いたが、ポイントとしては以下。

  • 1着28000円と1着18000円は生地の感じが違う。28000円のほうがちょっと良い感じ。
  • 1着28000円のスーツはだいたいどこでも似たようなもので同じ。概ねウール50%ポリエステル50%で、ときどきウール100%がある。ウールのほうが手触りがちょっとだけ良い感じ。
  • デザインは青山が保守的な感じ、llll SUIT SELECTが流行を追った感じ。
  • 青山や青木はオジサン向け、名前が横文字なのは若者向けっぽい。値段は同じでサイズの品揃えが違うから若い普通体型のひとは若者向けの店で買ったほうが便利そう。
  • スーツ屋さんの靴は総じて1万円を超えていても異常に安っぽい。靴は靴屋で買ったほうが良さそう。

 どこで買っても品物があまり変わらないから、値段が安くて店員さんの対応が良くてかわいい店で買うのが良いと思う。対応というのは大事だ。

「メロンパンナちゃんはいくつに見えますか」

 数ヶ月前から右目の視界が少しブレていて、気になるので医者に行ってきた。遠くでも近くでも同じくらいブレて不便であるし、何か重い病気の兆候であっても困るというわけだ。そういうのを気にするタイプだ。

 実は去年の夏頃に同じ症状が出ていて、そのときは町の名医と呼ばれる眼科に行って3時間くらいかけて視力検査をした結果、原因はよくわからないということで少しマシに見える眼鏡を作りなおしたのだ。裸眼ではブレるけれども、眼鏡をかけると少しブレる程度になって、文字が読みやすくなったので、まあしかたがないかと諦めていた。乱視用のコンタクトに変えたりもしたぞ。

 しかしその後、作りなおした眼鏡が合わなくなっていることに気づき、眼鏡を外して確かめてみると、なんとブレる症状が治っていたのだ。せっかく作りなおした眼鏡もコンタクトも意味が無い。ブレて見える時期が大学院入試のストレスが非常に大きくかかる時期だったのもあり、ストレスで見えなくなるもんかなと思っていた。

 それで今年また同じようにブレるようになり、しょうがなく別のこれまた名医と呼ばれる眼科にかかると、医大病院を紹介された。大げさで嫌だったが、原因が知りたかったのでおとなしく行ってきた。

 大学病院では本当にありとあらゆる測定器で眼球を調べ上げられた。ただ眼球を調べるだけなのにいろいろな測定器があるのだなあと感心した。子供の頃からそこそこ強い近視なので、気球が見える機械なんかには慣れていたが、見たこともないような機械で目の写真を撮ってもらったりした。何を撮ったのか教えて欲しいが、わかっていないひとに説明するのも大変なのだろう。

 眼筋麻痺が疑われていたので、クマのプーさんが先っちょについた棒を持って、プーさんを目だけで追いかけてくださいと言われて、片目を隠したり隠さなかったりしながら、キョロキョロさせられた。全年齢的にプーさんなのか。老若男女ディズニーである。

 こういう検査では遠くに視点を置くポイントが必要なようで、それは赤いランプであったり、ぬいぐるみであったり、絵であったりするのだが、今回はメロンパンナちゃんの顔であった。メロンパンナちゃんは僕が思っている以上に知名度の高いキャラクターであるらしい。「あのメロンパンナちゃんを見て下さい、メロンパンナちゃんはいくつに見えますか」という、精神科のような問いを繰り返された。レンズが外せる変な眼鏡をかけて片目を隠しながら、「メロンパンナちゃんはひとつに見えます」と元気に答えたが、症状との不一致があったようで、何度も聞き直された。何度見てもメロンパンナちゃんはひとつである。「メロンパンナちゃんはいくつに見えますか」と問われるたびにメロンパンナちゃんとは何なのかを考えて、笑い出しそうになってしまった。ここで笑うと本当に精神がおかしなひとにしか見えないので必死にこらえた。視力検査の列は4つあったが、他の列はすべて普通にアンパンマンだった。はめられたと思った。

 結局いろんな装置で調べた結果、角膜の表面がほんの少し歪んでいるようだということだった。病名は教えてもらえなかったが、おそらく円錐角膜やそれに類似する症状ではないかと思う。コンタクトレンズである程度矯正できるようだが、そこまでひどくないので今は様子見をする。

 メロンパンナちゃんはひとつである。メロンパンナちゃんが歌う「パンナのパンチ」という曲は名曲なので聴いたほうが良いと思う。


メロンパンナ パンナのパンチ - YouTube

はてなブログアプリのiPhone6対応求む

 ブログを書くのは楽しくて、誰も読まないだろうなと思いながら公開するのは心の慰めになる。ただ毎日帰りが遅く、帰った頃には疲れ果てているから、昼間に小さな時間を見つけては書きたい。つまりiPhoneを使って書けるとたいへん便利である。
 iPhoneにははてなブログのアプリがあって、アプリから書くのが一番あるべき姿だと、はてなはそう意思表明をしているのだと予想する。実際アプリから書くのは自然な流れで、出来はともかく投稿できる。
 このアプリがiPhone6の解像度に対応してくれないので、なんだかぼやけた画面で、大きさの違うキーボードをフリックして文字を書くのがおっくうである。ブログというのは書かなくてもお腹減らないしつらくないし死なないので、少しおっくうだと書きにくい。僕がよく使っているアプリでiPhone6の解像度に対応していないのははてなブログアプリとLINEくらいなので、このふたつはとにかくはやく対応してもらいたいと思う。
 解像度がちょっと違うことは文字を書く気持ちに大きな影響を及ぼすということがわかった。

滑り込み学会

 先週に今年度初めての学会にポスター発表で出させていただいた。夏に発表したのは実は半分非公式な学会だから、完全に公式なものは学校を移ってから初めてだ。

 他の分野は知らないけれど、化学系の学会でポスター発表をするには段階がある。

  1. 申し込み (題名と大まかな内容を決める)
  2. 予稿 (発表内容をA4用紙1ページから2ページ程度にまとめた原稿を作る)
  3. ポスター作り (A0のポスターを作る)
  4. 当日発表 (ポスターの前でいろいろなひとに説明する、1時間くらい)

 当日の発表までの段階は、全て指導教員のチェックをクリアする必要がある。少なくとも僕が所属する研究室ではそうだ。申し込みの時点から数えると、数ヶ月前から計画的に準備をしておかなければならないのである。しかし今回は他の行事が多く入り、申し込みから予稿までの間にテーマ変更があり、先生も出張で忙しそうに飛び回っておられ、全ての予定がギリギリになってしまった。チェックする先生にご迷惑をおかけしてしまい、本当に反省している。

 ポスターに関してはチェックを通過できたのが学会前日だった。それからさあ印刷と急いだのはいいが、僕は今年度からこの学校に来たので、印刷のやり方がよくわかっていなかった。近頃の異常な運の悪さが手伝って、ピンチがやってくる。

 別室にある大きなA0プリンターで印刷するのだが、用紙をセットしても印刷を開始してくれない。画面の指示にしたがっていろいろ操作して何度もヘッドクリーニングをかけてみるも、「ヘッドクリーニングをしてください」のメッセージが消えない。ヘッド交換の時期だったのだ。何もこんなときにならなくても、と予備のヘッドを探したらあったが、ヘッド交換ができない。ヘッド交換をするにはメンテナンスカートリッジに余裕があることが必要らしい。メンテナンスカートリッジも交換の時期だったのだ。そしてメンテナンスカートリッジの予備は無かった。

 この時点で夜の8時である。事務は既に閉まっており、A0プリンターのメンテナンスカートリッジなんて特殊なものは近くに売っていない。次の日の昼には発表しないといけない。

 

 結局いろいろなルートでどうにか印刷できないか探ってもらい、なんとか当日の午前に印刷が間に合った。

 

 僕の印刷が遅すぎたという不手際ももちろんあるが、3日前でも同じことになっていたであろうし、消耗品を使い切った後に補充しておかないひとの責任があると思う。前に書いたように、僕はトイレットペーパーを使い切った後に次のロールをセットしておけるひとでありたい。

 

 発表は問題なく進行したが、分野自体がアウェーな学会であったため、あまりひとが集まらなかった。ポスター発表はその場の全員に強制的に聴かせるということができないのだ。途中でテーマ変更せざるをえなかったので、内容が薄いのは確かだったが、不人気の原因はそれだけではないだろうと思いたい。同じ研究室のメンバーが賞をとるところを指をくわえてみているだけはもうごめんなので、次こそは賞をとれるように努力していくつもりだ。

東京お手伝い旅行 (3日目、夜)

 昼食にステーキを食べると雨もほとんど止んで、本格的にレコード屋さんを見た。discland JAROというジャズ専門店がおそらく渋谷で最も有名なレコード屋さんで、僕が今まで行った中で最も小さなレコード屋さんだった。小さなドアを押した先にある狭い階段を降りて、感覚的には3畳くらいしかない。真ん中に店主のおじいさんが座っていて、他は全てレコードだ。通路幅が狭すぎて身動きがとれず、手に取るレコードが3万円程度か1000円程度かと極端だったので、何も買わずにすぐに出てしまった。お金をもっているひとはああいうところでオリジナル盤を買うのであろうか。とにかく消防法を守っていなさそうなお店だった。

 主にジャズとブルースとロックのレコードを探していたが、渋谷だからなのか、他のジャンルのレコード屋さんが多かった。レコード屋さんは大別してDJ系とそれ以外があると思っている。基本的にはそれぞれ関係のない世界だから、明確にわけてあってほしい。

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 disk unionにズート・シムズのカッコいい10インチが売っていたが、さすがに26800円は手が出せなかった。その下のレコードは188000円で、お店に置いて買うひとはいるのだろうかと思った。サニー・ボーイ・ウィリアムソンやジェリー・リー・ルイスの7インチもあって、大変欲しかったが、7インチでもけっこうしたので、諦めてジャズのジャケットの状態が悪くて値が下がっているものを探した。おっ、これは、という盤がいくつかあり、何枚か買った。レコード選びは訓練である。ジャケットのフチを触った瞬間に何年代のものかわかるようになる。もちろん音楽のためにレコード集めをするのだけれど、それだけではないコレクション性も魅力のひとつなのだ。

 レコード屋さんにいるのは壮年から老年の男のオジサンばかりで、僕が死ぬまでレコードという趣味が続いているかどうか心配になった。オジサン達が引退するころにはレコードなんてなくなっているのではないか。あと50年くらいなんとかもってほしいと思った。

 もう少し東京に滞在こともできたけれど、レコード屋さんは見尽くして、歩き疲れたので、お土産と晩ご飯のカツサンドとビールを買って新幹線に乗った。東京駅のお土産コーナーは洗練されていて、ひとところでまとめて買えるので、おみやげ袋を持ってウロウロする必要がなくて良い。

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 新幹線でカツサンドとビールというのは男の幸せだ。「まい泉」という有名なお店のカツサンドを食べてみた。特別美味しいというわけではなく、普通の肉がやわらかめのカツサンドだった。ソースが甘い。カツサンドだから確かにそれなりに美味しいけれど、それは当然のことだ。思えば今回の東京旅行ではほとんど肉しか食べなかった。ちなみに新幹線で飲むビールがうまいので、僕は新幹線ファンだ。今までロング缶1本で少し物足りなかったところ、350 mL缶2本にするとワクワクが増大して丁度よかったと思う。

 1人で東京というのも自分で立てた計画通りに動けて楽しかった。ただし、なかなか寂しいということがわかったので、今度はひとと一緒に何かを見てまわってみたい。ご飯もきっとそのほうが美味しいだろう。

東京お手伝い旅行 (3日目、朝昼)

 用事も全て片付いたので、最終日の3日目は東京で遊ぶことにした。といっても東京に友達がいるわけではなく、同行者は皆帰ってしまってひとりになったので、博物館などに行く気は起こらなかった。ひとりで行くよりも、誰かと行くほうが楽しそうだ。

 結局いつものようにレコードを見ることにした。レコードはひとりでも見られる。今まで新宿と御茶ノ水のレコード屋さんを一通り回ったので、今回は渋谷に絞ってレコードを探した。ちょうど直前に下の記事が出ていたので参考にした。


渋谷、レコードショップリスト - Time Out Tokyo (タイムアウト東京)

 自分では遅くに起きたつもりで8時に起きたが、やっぱりお店はまだぜんぜん開いていなかった。レコード屋さんの朝は遅い。

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 しかたがないので朝食をとりにカフェマメヒコというところに行った。コーヒーが美味しくて有名なお店らしい。メニューを見てびっくりした。コーヒーの値段はめちゃくちゃ高いし、フードは時間帯によって3段階に値段が上がっていくようだ。幸いモーニングの時間帯で一番安かったので、エチオピアモカ830円 (1杯!) とBLTサンド700円を頼んだ。雰囲気が良い店だったので席代かなと思ったが、コーヒーは今までの人生で飲んだ中で一番美味しかった。カルチャーショックである。浅煎りの香りの後にフルーティーさがあり、ブラックでも砂糖を入れてもミルクを入れても、それぞれに美味しかった。BLTサンドも素材が良くこだわりを感じる味で、質の高い良いカフェであった。

 

 HMVの開店が11時だったので、5分ほど前に行くと、初老のオジサン達がもう既に並んでいた。オジサン達が東京弁でレコードの話をするのは、聴き慣れていないので若干気色が悪い。開店と同時にオジサン達はロック棚に走って行き (誇張ではなく走っていた)、自分の分を次々と引き抜いて山にしていった。ロック日本盤セールだったようで、僕は勢いに圧倒されて近づけなかったが、残ったものを見ると1枚数千円から数万円する上物ばかりの棚のようだった。その後ジャズコーナーを一通り見て、ズート・シムズの70年代の盤がアウトレットコーナーにあるのを買った。京都で買う値段の1/3以下だ。

 他にもいろいろなレコード屋をまわったが、途中で雨が降り出して、買ったレコードを傘代わりにして歩いていた。すぐ晴れるだろうと思っていたらそれなりに濡れてしまって、避難ついでに昼食にした。

 

 下調べしておいた「いきなり!ステーキ」というお店で、肉をグラム単位で測って焼いてくれる立ち食いスタイルだ。テレビなんかでも取り上げられていて、一度行ってみたいと思っていたのだ。他の肉は300 gからでないと注文できないということで、食べきれそうに無かったので、200 gから注文できるヒレステーキにした。

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 200 g注文して、切った肉が200 gに達しなかったらどうするのかなと思っていたら、お兄さんがやはり切るのに失敗して200 gに達せず、3度目の正直で194 gになった。注文は200 gからなので、足りなかった肉の行方が気になる。

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 赤身の肉がすごく美味しそうで、実際美味しくて満足感があった。ただ立ち食いで落ち着かないのと、どこかチェーンのような、平面的な雰囲気も感じた。300 gを食べられるひとが友達とワイワイ喋りながら行くと楽しいだろう。僕は200 gで普通にお腹いっぱいになってしまったから、やや向いていなかったのかもしれない。

 僕は旅行に行くと良い物を食べたいと思うタイプなのだけれど、ちょっとお金を出して良いものを食べようとすると、友達はあまりついてきてくれない。上手に誘えるようになりたいものだ。

東京お手伝い旅行 (2日目、夜)

 学会のお手伝いと懇親会が終わり、用事が無くなったのは夜の8時だった。懇親会というのはだいたい6時頃から始まり8時頃に終わる。遠方からの参加者の電車の時間や、近くに住んでいるひとの二次会がはじめから計算にいれてあって賢いと思う。

 まだ泊まるには少し早いので秋葉原をまたうろうろした。

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 ガンダムカフェの前のガンダム。お手を触れないよう、と首から下げていて、その点田舎臭かった。

 痛車と写真をとる外人等、秋葉原らしいものを一通り見て歩いた。秋葉原というのは何かを我慢できないひとたちをカモにする街だと感じた。メイドカフェの女の子が夜中に外で客引きをしていたり、脂と塩と化学調味料で本能に訴えかけるラーメン屋さんに行列ができていたり、欲望の街であった。10年少し前に中学校の修学旅行のコースとして選択できた電気街とはかけ離れていた。

 僕が見たいオーディオショップなんかも、今でもあるはずだけれど、そういう需要の小さい商売はインターネットに流れたのだろう。オーディオ雑誌に出てくる高級スピーカーはいったいどこで買うものなのだろうか。マニアの街はインターネットに移行し、実際に歩ける街にマニアックさはなくなっていく。僕が住んでいるのが田舎だからなのかと思っていたが、東京ですら同じことが起こっていた。街を歩いて店に入るのも好きなので、専門的な店が通りからなくなるのはさみしく感じた。