今日見た夢
冬は足元
今が冬真っ盛り、本当に寒い。今日は朝も夜も雪がどんどん降っていて、まるで冬だった。冬の寒さをしのぐために、僕たちはエアコンで暖房をしたり、ストーブに火をつけたり、いろいろな工夫をする。けれど、僕が発見したことには、冬の寒さは足元である。
部屋に暖房を入れるよりも、スリッパを履いたほうが温かく感じる。これは真実だ。スリッパを履いていないひとは試してみると幸せになれるかもしれない。アヤハディオというホームセンターで300円くらいで買ったスリッパを5年以上使っていたが、さすがに底が剥がれてきたので、新しいのを買った。
関係あるかはわからないが、最近足元に凝っている。明らかに大きすぎる妙に安物の革靴しか持っていなかったので、フォーマルな革靴を買った。靴と時計には気を使えというおばあちゃんの言葉を思い出し、少し奮発した。ずっと自分の足は26cmだと思っていたが、24.5cmらしい。確かに実測してみると24.5cmで、ワイズ(widthをどう書く?)はDかEくらいのようだった。よい靴は手入れをすれば長く使えるようなので、長期的に見れば安物を買ってすぐ潰すより得だろう。
ローファーをなんとか安くで手に入れた。僕は靴の紐を毎回ほどいて結び直す派なのだけれど、飲み会なんかでは、気軽に脱いだり履いたりできる靴を重宝するだろう。それにコインローファーというのは優れたデザインだと感じる。ぴったりのサイズを買ったはずが、踵がカパカパ外れる、しかしインソールをいれるときつすぎて痛いという中途半端な状態なので、何か工夫して改善したい。
あとは自転車のペダルを買った。革底のローファーで自転車通学をすると、ツルツル滑ってペダルが踏めないのだ。それに長年乗っているせいか、ベアリングが死んでだいぶ固くなっていた。新しいものは、ミカシマの3000Sという、全部ゴムでできているレトロなモデルにしたので、滑らないし、革底が傷つくことも少ないだろう。自転車のペダルは片方が逆ねじでついているのだろうか、と以前から思っていたのだけれど、果たしてその通りであった。
生活は改善である。足元に気を配ることは大事だと思う。スリッパは特に大事で、おすすめしたい。
アルバイトと私3
大学4年生になると研究室に所属し、実験が忙しく塾に顔を出しづらくなった。それでも週に2回は無理に研究室を早く切り上げて、塾で授業をさせてもらった。お給料は半分に減り、平日は自由な時間がほぼなくなってしまったが、授業は楽しかった。楽しいことをしてお金をもらえるのはありがたいものだ。大学院に入るときに、研究により本腰を入れないといけないので、アルバイトに来られそうにないと塾長に伝えた。塾長は親切な方なので、籍は残しておくから時間があればいつでも来て下さいと言ってくださった。
そういう経緯で昨年の4月以来ほとんど顔も出せていなかった塾に、2014年から2015年の年末年始に冬期講習のお誘いをいただいた。ちょうど休みがとれたので、少しだけ授業を受け持った。久しぶりの授業は前と同じように面白く、生徒は相変わらず気を遣ってくれていた。少し受験生らしく根気がついていたようだ。半年以上会っていないのに、まるで先週まで毎週授業をしていたかのように話してくれて嬉しかった。
これからは研究をさらに頑張る必要があり、就職活動も始まって忙しくなるだろう。そうなると塾にも行っていられない。お給料を受け取って、塾に行くのもこの冬期講習が最後になるかもしれないなと思い、センチメンタルな気分になってこの記事を書いた。時間の切り売りではなく、良い体験になったと思う。塾長の人柄と生徒達の親切心のおかげである。
アルバイトと私2
アルバイト先に決まった塾は家から自転車で5分で、1対1もしくは1対2の個別指導、スーツを着る必要がなく、報告書の量が少なかった。塾長は若く、丸坊主頭の仏のような方で、何でもほぼ自由にさせていただけた。お給料は当初80分1コマ授業1対1で1600円、1対2で1800円だった。大手の相場に比べて少し高かった。採用まで他の企業に認めてもらえなかったことから一転、好条件だったのでギャップに驚いた。3年ほど前にできたての塾で、僕はアルバイトとして第2世代に当たった。入れ替わりで第1世代が就職のため辞めていき、当初から主戦力で週3日入れた。フル稼働しているときで講師5人程度、一部屋の小さな塾だ。
教える相手はメインが公立中学に通う中学生、ときどき小学生や高校生だった。僕が通っていたのと同じ中学の生徒がほとんどだったので、学力も学校の授業の内容もだいたい想像がついた。学校で真ん中くらいの学力の生徒に、1対1で数学や英語を教えるのがメインだった。僕の通っていた中学で真ん中くらいの学力というと、将来的には専門学校や短大に進むひとが多数派で、高校で頑張れば四年制大学に行けないこともない、というくらいだ。生徒たちは皆よく気を使ってくれて、お話が苦手な僕でもそれなりに雑談をしてもらえた。それぞれの生徒にそれぞれの特徴があったが、家族の影響を色濃く受けているようだった。学力においてはさらに顕著に、家族の学力程度そのままという場合が多くて驚いた。環境の違いは僕が思っていたよりも強力だった。
授業にあたっては代ゼミで受けた授業が役に立った。僕は科学の姿勢を代ゼミで初めて習ったと思っている。特に1次関数を教えるのが好きで、得意だった。生徒に「傾きって何のこと?」と尋ねると、ほぼ全員が「a」と答える。aはただの文字だ。傾きの定義から教える必要があった。中学校の教員がまともなことを教えていないので、本当のことを少し話すだけで面白がってもらえたし、理解は急激に進んだ。何のことはない、「関数」の意味と「傾き」と「切片」の定義を理解すれば、他に勉強することなんてほんの少しなのだ。こういうやりかたはもしかすると点数に結びつくまで時間がかかるかもしれないが、そんなことより大事な、将来育つべき種を植えることができたと思っている。
大変だったのは、生徒にちやほやされて、調子にのらないようにすることだ。僕の通っていた高校は田舎の公立の中では一番の進学校だったので、中学生の生徒からは秀才扱いをされて、気を抜くと調子にのって偉そうにしてしまいそうだった。塾が自由な風土だったので、高校でまともに勉強しなかったことや、追試常習だったことを正直に話した。それでも調子に乗りそうだったので、自分では一人称を「先生」と呼ばないように「僕」と言った。先生先生と言われていると、自分でも気づかない間に調子に乗ってしまう。自分が生徒だった頃、教員がやけに偉そうぶっていた理由が少しわかった。
受験勉強のために来ている中学生達が志望校に合格するかどうかは、たいして気にならなかった。公立信仰があるのは田舎だからで、私立のほうが環境は良いかもしれないのだ。そんなことより、将来的に頭に残る、科学の考え方を教えられるかどうかのほうがよっぽど気になった。子供たちが言うように、どうせ彼らのうちほとんどは将来の日常生活で因数分解なんて使わないだろう。しかし、因数分解を学ぶことで得られる科学の考え方の本質は、将来必ず役に立つと思う。それを伝えようとして、その場しのぎの安直な教え方はしなかった。口下手な部分は多々あったと思うが、僕が中学校のとき、こういうふうに教えてもらいたかったな、という方法で教えられたと思う。同じような教え方ができるひとはきっと多くないし、時給以上の価値を提供できたと思いたい。
アルバイトと私1
アルバイトをしたいと思い始めたのは高校生の頃で、その頃は学校で毎日大量の課題を出されていたおり、時間の余裕がなかった。浪人生活でも何度かアルバイトをしようと探したことはあったが、やはり浪人特有の焦燥感とプレッシャーがあり、実際にはできなかった。大学生になっても1年生は必修単位だけで週6日学校に行く必要があり、理工学部の課題量と、往復4時間近くの通学時間に阻まれて、なかなかアルバイトというわけにはいかなかった。
大学3年生になると取得すべき単位も残り少なくなり、平日の時間に余裕ができた。そこでアルバイトを始めようと本気になり、いろいろな業種に応募し、面接を受けた。条件は平日の夕方から夜まで働けること、土日はどちらか休めること、通える範囲にあること。塾か飲食店がやはり多かった。僕はひとより3つ歳をとっているので、おそらくそれが災いして、いくつもの候補に蹴られていった。
スシローに面接をお願いする電話をかけたとき、学年と年齢を聞かれて、「そんなやつ雇うわけがない」と一方的に切られてショックを受けたのを覚えている。寿司を握るのには年齢が重要らしい。
東寺のみなみ会館の近くにある塾では体験授業をするまでいったが、塾長が竹刀を持っており、他の講師を正座させて追い詰めていたので、こちらからお断りした。事務のアルバイトのひとが死にそうな顔をしながら手すりを雑巾で拭いていた。
京都駅の北側すぐの居酒屋で、時間に遅れて面接に着席した店長に第一声で「会った瞬間大きな声で名乗らないのは元気が足りない、お前のような人間は他でも誰も雇わないから帰れ」とダミ声で怒鳴られたのが最悪の体験だった。言葉遣いはもっと汚かったし、フィーリングカップル用テーブルがある居酒屋はこちらからも願い下げだったが、それからは元気をなくして、インターネットで求人を探す気が失せた。
結局、日曜日の新聞に挟まっている求人広告で近所の個人経営塾が講師を募集しているのを知り、面接していただいた。3年の浪人は大目に見てもらえたのか、それとも塾長と同じ高校出身だったのが幸いしたのか、あっさり採用が決まった。採用決定の電話を受けたとき、なかなか信じられなかったのを未だに覚えている。ありがたいことだから給料分以上の働きは必ずしようと心に決めた。
つづく。
2015年のお正月
2015年あけましておめでとうございます。もう三が日も終わってしまって、正月気分もあまり残っていない。2015年にもなると未来だなあと感じるはずだ、と予想していたけれども、意外とあっさり受け入れてしまって、気分はもうすっかり2015年である。ずっと前から2015年だったような気もする。毎日使っているiPhone6に2015年感があるからだと思う。
2014年の終わりのほうは信じられないくらい運が悪く、また忙しさで憔悴しきっていたため、この年末年始は体と心を休めることに専念した。つまり何もしない。神経症に森田療法というものがあり、何もしない状態を続けると自然と何かしたくなるという方法論で、ある程度妥当性を感じる。最初は何かしなければと焦って空回りしていたが、今はようやく現実のペースと肉体と精神のペースが同調してきたように思う。紅白歌合戦を見ていたら年が明けた。中島みゆきは歌がうまかった。家族でテレビ番組を見るのは楽しい。
我が家のおせち料理である。いつからか重箱に入れるスタイルではなくなった。餅は丸い。棒鱈というのは地方特有の料理なのだろうか。
2015年も毎年と同じく、親戚が集まって宴会をした。いとこの甥っ子姪っ子が4人もいて、みんなにお年玉としておもちゃをあげた。お年玉がもらうものからあげるものに変わり、感慨深い。子供達は非常に活気があり、頭が働き、予想外のことをする。大人になると予想外のことをするひとは少ない。宮﨑駿は「子供の仕事というのは、つまらない大人になることなんですよ」と言っていた。僕はもう大人なので宴会で飲み過ぎることもなく、終始ニコニコしていた。去年の飲み会で鍛えられて宴会に強くなっていたようだ。つまらない大人になったものだ。
1月3日には近所の神社に初詣に行って、おみくじをひいた。末吉で、良くも悪くも書いていた。「学問 危うし全力を尽くせ」が気になるが、「願い事 驚くことあれどあわてねば叶う」だから最終的には良くなるということにしておいた。これまで不運でためていた分くらい良いことがあってもいいだろう。
2015年も、2014年と同じく毎日頑張っていれば、良い年になると思う。種は植えてすぐには花を咲かせないものだ。毎日水をやることが肝心なので、水やりを欠かさないようにしたい。かといって大人しくなりすぎても面白く無いので、たまには予想外のことをしてみたいと思う。毎日楽しく暮らして、しっかりした成果をあげられる年にしよう。
2014年に聴いて面白かったCD5選
「2014年に聴いて良かった音楽」にしようかとも思ったけれど、レコードはいつ買ったか正確に覚えていないので、iTunesに入っているCDに限定した。ただ今年の正月休みに持っているCDを全部Apple LosslessでiTunesに入れ直したようで、2014年に何枚のCDを新たに聴いたかはわからなかった。それに良い音楽も絞りきれなさそうなので、これは面白いな、と思ったCDを挙げることにした。きりよく5枚でいこう。
The Yardbirds / Five Live Yardbirds (VICP-75002)
有名なロックバンドを聴こうというモチベーションで聴いた。バンドの音の感じがじつに僕の好みで、ライブだから演奏が活き活きしている。この時代のロックバンドはブルースとロックンロールの影響が濃厚で、わくわくする。1曲目に入っているToo Much Monkey Businessはチャック・ベリーがオリジナルで、よく演奏される曲だけれども、この盤の紹介から始まる感じがとても素晴らしい。ライブ盤の1曲目はこうあるべきと思う。
ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ+10(K2HD/紙ジャケット仕様)
- アーティスト: ザ・ヤードバーズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2011/07/20
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Sonny Boy Williamson & The Yardbirds / Sonny Boy Williamson & The Yardbirds Live At The Craw-Daddy (VICP-70090)
ヤードバーズはブルースが大好きで、そのヤードバーズが憧れのブルース・ハープ奏者のサニー・ボーイ・ウィリアムソンを呼んできて一緒にブルースを演奏した録音。ヤードバーズは腕利きの奏者が揃っているのだけれど、サニー・ボーイ・ウィリアムソンにビビりすぎているのか、それとも本場のドロドロブルースが濃すぎたのか、おそるおそる演奏しているように聴こえる。サニー・ボーイ・ウィリアムソンはいつもと変わらずなところが面白い。
サニー・ボーイ・ウィリアムソン&ザ・ヤードバーズ+7(紙ジャケット仕様)
- アーティスト: ザ・ヤードバーズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: CD
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センチメンタル・バス / さよならガール (ESCB-2164)
一気に飛んで日本のロック。誰でも知ってる「Sunny Day Sunday」が聴きたかっただけなのだけれど、聴いてみるとけっこう面白いことをしているパンクなバンドだった。でもやっぱりよく売れた「Sunny Day Sunday」「WEED CROWN」「マニアック問題」が良い曲だと思う。こんな立派な曲が3曲も入ってたら名盤だ。「Sunny Day Sunday」はギターも練習してそこそこ弾けるようになったぞ。夏のことだからもうだいぶ忘れた。
- アーティスト: センチメンタル・バス,赤羽奈津代
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 2000/08/02
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真島昌利 / RAW LIFE -Revisited- (MHCL-1077)
ブルーハーツやハイロウズやクロマニヨンズが好きなので、当然真島昌利のソロも、ということで聴いた。ソロのほうがより時代を感じるというか、今聴くとけっこう古臭い。けれどやっぱり真島昌利らしく、毎日のダサい生活を美しく高尚な言葉ですくいとって放り投げてはゲラゲラ笑うような、そんな不思議な印象がある。アルバム・タイトルの「RAW LIFE」という曲の歌詞が象徴的。
ド田舎の日本人でも ロックすることはできるぜ
クールな振りをしていても 夜更けには納豆を食う
おっと自慢のTシャツに 醤油がかかっちまったぜ
また、チャック・ベリーのフレーズを使って歌う「GO!GO!ヘドロマン」という曲がとにかく素晴らしい。本当にしょうもないのだけれど、こういう曲は面白いなあと思ってしまう。
- アーティスト: 真島昌利,佐久間正英
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2007/04/25
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RCサクセション / 悲しいことばっかり (オフィシャル・ブートレグ) (TOCT-29164)
これはRCサクセションのライブ音源のオフィシャル・ブートレグ。録音環境が最悪で、マスターテープがカセットテープらしい。入念に調整されているらしいが、ひとによっては聴けないレベルに音が悪くて、その時点で異常な雰囲気がある。内容はアコースティック時代のRCサクセションの、これでもかというくらい怨念を込めたような歌で、このCDを発売するのは大変だったろうと思う。僕が前から気に入っている「お墓」という歌が入っていて、絞りだすように演奏して歌うところが素晴らしい。
以上、全然関連が無いけれど、2014年に聴いて面白かったCDを挙げた。2014年は今までに手に入れた音源を再度聴いてみることに主眼を置いたが、新しく聴いたものも良い盤に多く当たったと思う。2015年も楽しく音楽を聴きたい。